一眼レフ買ったら最初に覚えたい「シャッタースピード」「F値」「ISO感度」の関係性とモード設定

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一眼レフ買っていざ撮影をしようとした際に完全オートで撮影する以外では絶対に避けて通れないのが「シャッタースピード」「F値」「ISO感度」です。

ちなみに、この3つの関係性を覚えてしまうと一気に撮影することが楽しくなります。

逆に言うと、この3つの関係性を理解していないと完全オート以外で撮影する意味がなくなってしまいます。

モードを選択して、撮影を楽しむためにも、まずはこの3つの関係性を覚えておいたら良いと思います。

目次

まずは単体で考えてみる

まずは3つの関係性を見ていく前に個別の役割から見ていくことにします。
実際にカメラに触れながら見った方がわかると思いますので、カメラで操作しながら見ていくことにします。

実際にそれぞれの数値を変更できるようにマニュアルモードに設定しておきます。

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*今回使うカメラは、僕が所有しているNikonのD5500です。

シャッタースピード

シャッタースピードとはレンズのシャッターが開いている時間のことです。

単純に言うと本当にこれだけです。
言葉の意味からでも十分想像がつきます。

では実際に数値を変更してみることにします。

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1番左端のこの部分がシャッタースピードになります。

この部分の数値を変更することでシャッタースピードを変更することができますので変更してみてください。

シャッタースピードは1/100となっています。
1/100とはシャッターが開いている時間のことです。

つまり、1/100秒しかシャッターは開いていないことになります。
次にこう思うのではないかと思います。

「シャッターが開いている時間はわかったけど、それがどうしたの?」

シャッターが開いている時間で次のような変化を見ることができます。

シャッタースピードを変更することで変化すること

シャッタースピードが速い場合
  • 動いているものの瞬間を撮影できる
  • 手ブレしにくい
  • 光を取り込む量が少なくなる(マニュアルモードの場合は暗くなる)
シャッタースピードが遅い場合
  • 被写体の動きを取ることができる(水の場合は絹のような水の流れになる)
  • 手ブレしやすい
  • 光を取り込む量が多くなる(マニュアルモードの場合は明るくなる)

シャッタースピードを変化させることでこのように写真の撮れ方が変わってきます。
シャッタースピードが遅いと手ブレしやすくなり、速いと手ブレしにくくなりますので、普段の手持ち撮影の場合は、シャッタースピードをあげておくことをお勧めします。

頑張っても1/60秒くらいまでが手ブレしない限界です。

速ければ速いほど手ブレしにくいですので、絶対に失敗できない場合はシャッタースピードをあげておくと良いです。

F値

F値とは簡単に言ってしまうと明るさを示す値です。

こちらも簡単に言うとこれだけの話です。
F値=絞り値とも言います。

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写真の真ん中の部分です。
この写真ではF値が4.5になっています。

変更してみてください。

シャッタースピードに比べて変更できる数字が少ないと思いませんか?

これは装着しているレンズによっても変更できる数字が変わってきます。
キットレンズの場合は1番小さくて、広角側で3.5にしかなりません。

「で、このF値の数値によって何が違うの?」

ってなると思います。

F値を変更することで変化すること

F値が小さい場合
  • 被写界深度が浅いため、背景がぼけた写真を撮ることができる
  • 光をたくさん取り込むことができるため、手ブレしにくい(マニュアルモード以外)
F値が大きい場合
  • 被写界深度が深いため、全体にピントがあったようにシャープに撮ることができる
  • 光を取り込む量が少ないため、手ブレしやすい(マニュアルモード以外)

以上のような変化があります。

F値が大きい=被写界深度が深い=ピントが合っている範囲が多い=背景ボケない
F値が小さい=被写界深度が浅い=ピントが合っている範囲が少ない=背景ボケる

こんな関係性があります。

風景撮影のように全体をシャープに移したい時はF値を大きくして、背景をぼかしたい時はF値を小さくするということを覚えておけば良いと思います。

ISO感度

光をとらえる能力を表す値です。

もうね、これだけ聞いてもなんのことか全然わかりません。
簡単に言うと、ISO感度を上げるほど光をとらえる能力が上がりますので、少しの光でもシャッタースピードを落とさずに撮影することが可能になるのです。

要するに便利屋さんです。

「じゃあ最高値まで上げてしまえば良いね」

と思うのですが、実はこいつが曲者なんです。

ISO感度を上げることでシャッタースピードを稼ぐことができますので、ブレずに撮影しやすくなります。
でもISO感度を上げれば上げるほど、写真にはノイズが入ります。
ザラザラした仕上がりになりますので、必要以上に上げてはいけません。

実際に写真で比べてみましたので、参考にしてみてください。

関連記事 ISO感度を上げて写真を明るくしたつもりだったけど、ノイズだらけだった

ISO感度を気にしなければならないのは、暗くてシャッタースピードが稼げない時ですので、明るい場所でシャッタースピードが稼げている時は特に気にすることはありません。

3つの関係性

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単体で見ると上のような感じになります。
しかし、撮影する時はどうしても単体で考えることができません。

この3つの要素を全て考慮して撮影することになります。

しかし、この3つは三角関係で考えるよりも2つの主役と1つのサポート役というように考えた方がわかりやすいと思います。

撮影する際は、シャッタースピードとF値を考えて撮影することになります。

基本的にはシャッタースピードとF値が主役になります。

ISO感度はサポート役みたいなものです。

と、ようやく役者が揃いました。

2つの主役が全てを決める

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シャッタースピードとF値の2つの設定によって写真の出来はおおきく変わってきます。
今回は上記の設定で出来上がる写真の明るさを100という値で表現することにします。

写真を明るくしたり、暗くしたりするにはシャッタースピード、F値、ISO感度を変更させれば良いのです。逆も然りです。

シャッタースピードを早くすると、光を取り込む時間が少なくなるので写真の出来は暗くなります。
しかし、F値を小さくすることで写真の明るさを保つことができます。

つまり、シャッタースピードを早くして写真の明るさの値が80になったとします。
しかし、F値を大きくすることで20分の明るさを補うことで写真の明るさは100を保つことができます。

写真の明るさを100にしておきたいのであれば、常にシャッタースピードを変化させたらF値も変化させないといけないわけです。
つまりシャッタースピードとF値を変更することで写真の明るさを保ち、望んでいる写真を撮ることができるのです。

風景を撮りたいからF値を大きくして全体をシャープにしようと思ったら、シャッタースピードは遅くしなければ写真の出来は暗くなります。
逆に背景をぼかした場合は、F値を小さくしなければならないのでシャッタースピードを上げなければなりません。

このようにシャッタースピードとF値がバランスをとって写真が出来上がるのです。

でもこの2つだけでは限界に達することがあるのです。

例えば夕暮れ時の街並みを写真に収めようとしたとします。
全体をシャープに写したいのでF値を大きくします。
もちろんシャッタースピードは遅くします。

先ほどと同じ明るさ100を保とうとしても、夕暮れ時ということで昼間より光を多く取り込むことができません。
そうなると昼間よりもシャッタースピードを遅くしなければ明るさ100にはならないのです。

シャッタースピードを遅くするとどうしても手ブレして写真がブレてしまいます。
僕の経験上1/60以下にすると手ブレする可能背がグンと上がります。

そうなってくるとシャッタースピードを手ブレしない値に設定するとどうしても写真が暗くなります。
これはどうしても避けたいですよね。

そこで活躍するのがISO感度です。
サポート役が活躍する時がやってきました。

ISO感度を大きくすれば光を感知する機能は上がりますので、シャッタースピードを上げなくでも写真の明るさを100にすることが可能です。

もちろんISO感度を上げれば上げるほどノイズが出てきますので諸刃の剣のようなものです。
僕のISO感度の目安は100~400くらいです。

ノイズが多い写真よりも手ブレしている写真の方が酷なので必要に応じてISO感度は上げた方が良い。

まとめると以下のような感じになります。

まとめ

写真を思い通りに撮影したい時は、シャッタースピードとF値を変更して決める。
それで明るさを保てない時に初めてISO感度を上げる。
主役はあくまでシャッタースピードとF値。ISO感度はサポート役。
しかし、ISO感度も上げすぎたらノイズが多くなる。

モードの設定

3つの関係性はこんな感じです。

この3つをどのように扱うかを選択するのがモード選択になります。

  • プログラムオート(P):ISO感度だけ自分で設定しシャッタースピードとF値はカメラにお任せ
  • シャッター優先モード(S,Tv):シャッタースピードとISO感度を自分で設定しF値はカメラにお任せ
  • 絞り値優先モード(A,Av):F値とISO感度を自分で設定しシャッタースピードはカメラにお任せ
  • マニュアルモード(M):3つを全て自分で設定する

他にも操作できる項目はあるんですが、分かりやすいように「シャッタースピード」「F値」「ISO感度」の3つだけで考えていくことにします。

マニュアルモード(M)以外ではカメラ側が何かしら自動で設定してくれます。

カメラ側が自動で設定することで一定の明るさを保つようにできています。
*今回は露出に関しては省いています。

マニュアルモード(M)以外では写真が最適な明るさになるように、カメラが自動で設定する項目を操ってくれているんです。

例えば、絞り値優先モード(A,Av)でF値を大きくしたとします。
F値を大きくすると光の取り込み量が少なくなるので、カメラが自動でシャッタースピードを遅くしてくれます。

常にカメラが最適と感知する明るさに写真が出来上がるように設定してくれてるんですね。

逆にシャッター優先モード(S,Tv)でシャッタースピードを上げると、カメラが自動的にF値を下げてくれます。

このようにして常に一定の明るさになるように設定してくれています。

「カメラすげー」ってなりますね。

ちなみにプログラムモードでは、この3つの中でISO感度以外がオートになるということを頭に入れておくと良いと思います。

 マニュアルモード(M)以外

先ほども少し触れましたが、上記の記述はマニュアルモード以外ではカメラ側で一定の明るさになるように自動で設定してくれています。

シャッタースピードをいじりたければ、シャッター優先モード(S,Tv)に設定し、F値をいじりたければ絞り値優先モード(A,Av)にすれば良いというわけです。

いずれにしても一定の明るさ(先ほどでいうと100)になるようにカメラ側で設定してくれていますので、明るさに関しては失敗は少ないと思います。
*極端な値にすれば自動的に露出が上がったり上がったりしますので限度はあります。

シャッタースピードとF値は主役ですので、この2つを変更することで基本的に意図した写真を撮ることができます。

マニュアルモード(M)

マニュアルモード以外のモードでは明るさが一定になるようにカメラ側でシャッタースピード、F値の設定を自動で行ってくれていましたが、マニュアルモードではカメラ側では何もしてくれません。

いざマニュアルモードで撮影すると

「真っ白」

「真っ暗」

何んて事態に陥ることも多々あると思います。
*僕がそうだからw

本当に設定が難しいです。

どのモードで撮影すれば良いのか

では実際にどのモードで写真を撮るのが良いのかということですが、簡単にまとめてみます。

  • プログラムオート(P):何も考えずに基本的にカメラにお任せができるモードですので、失敗できない場面等で使用すれば良いと思います。慣れてきたらあまり使うことがなくなるモードです。
  • シャッター優先モード(S,Tv):動いているものを瞬間的に捉えたい場面、スローシャッターを使いたい場面等で使います。極端に遅いシャッタースピードを使用する場合はNDフィルターが必要になります。
  • 絞り値優先モード(A,Av):背景をぼかしたい、全体をシャープに撮りたい場合に選択するモードです。僕は1番使用頻度が高いです。というかほぼこのモードです。
  • マニュアルモード(M):全てを自分で設定したい人はこのモード。慣れてないと出来上がりの写真が酷になることもあるので経験が必要です。星を撮影する時や滝を撮影する時はこのモードで撮影します。使いこなすまでに時間がかかります。

モードを選択する時の基準はこんな感じで良いと思います。

僕は基本的に絞り値優先モード(A,Av)で楽しんでいます。

まとめ

一眼レフカメラを買ったらまず最初に覚えておくと撮影が一気に楽しくなります。
そんなにモードをクリクリと変更することはないと思いますが、一眼レフを持っているなら必ず覚えておきたいところです。

3つの関係性を理解して、初めてレンズの重要性だったりも分かり始めます。

まずは3つの関係性と自由にモード選択ができるようになることが重要じゃないかと思います。




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この記事を書いた人

30歳代、3児のパパです。
主にカメラ・写真について記事を書いています。
使用機種:Nikon D5500、SONY α7 Ⅲ

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