カメラの基礎知識

子供でもわかるようにMTF曲線の見方を丁寧に解説してみる

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各メーカーのサイトを見ながらレンズを拝見していると必ず出てくるのがMTF曲線です。
始めの頃は見て見ぬ振りをしていたのですが、やっぱり知っていた方がいいよねってことで、これを機にお勉強してみることにしました。

あとり
MTF曲線って何ですか?
カメラ先生
レンズの性能を表した曲線のことじゃ
あとり
じゃあ、MTF曲線が読めればレンズの性能が丸わかりってことですか?
カメラ先生
全てじゃないが、目安にはなるじゃろう

要するにMTF曲線を理解すればレンズの性能が全てではないがわかってしまうというのです。
なるほど、これは便利!

ということで、今回はMTF曲線の見方についての内容になります。

MTF曲線からわかること

そもそもMTF曲線って何?って話から始まると思いますので、我らがNikonのホームページからMTF曲線について書かれているページから引用してきました。

MTF(Modulation Transfer Function)は、レンズ性能を評価する指標のひとつで、レンズの結像性能を知るために、被写体の持つコントラストをどの程度忠実に再現できるかを空間周波数特性として表現したものです。

ここに掲載のMTF曲線は、空間周波数を特定の値(10本/mmと30本/mm)に固定した状態で、横軸に像高(画面中心からの距離mm)をとり、縦軸にコントラストの値(最大値1)を示したものです。各レンズに対応するMTF曲線は、絞り開放の場合に対応し、空間周波数10本/mmに対応する曲線を赤線で、空間周波数30本/mmに対応する曲線を青線で示しています。

軸外像高では非点収差の影響でS方向(サジタル方向:放射方向)とM方向(メリジオナル方向:同心円方向)で、コントラストの変化が異なってきます。一般に、10本/mm の曲線が1に近いほどコントラストがよくヌケの良いレンズになり、30本/mmの数値が高いほど高解像なレンズといえます。

引用:Nikon公式ホームページ

あとり
何言っているかさっぱりワカリマセーン

これだけで「なるほどね〜そういうことか!」って人は天才だと思います。
実際にわかる人はいるんでしょうが、光学系を全く知らない人にとってはさっぱりだと思います。

空間周波数?サジタル方向?

多分人生で一回も発声したことありません。

それくらいわかりません。

でも、ここから読み取れることはMTF曲線からは「レンズ性能を評価する指標のひとつで、レンズの結像性能を知るために、被写体の持つコントラストをどの程度忠実に再現できるか」という1つの指標を読み取ることができるということです。

あとり
要するにレンズがどれだけ忠実にコントラストを再現できるかを示しているんですね?
カメラ先生
そういうことじゃ!ついでに解像度もわかるのじゃよ

実際に見てみよう

スクリーンショット 2017-07-20 23.43.12

Nikonのホームページからお借りしてきました。
 AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VRのMTF曲線になります。

なんで2つあるの?ってお思いの方もいると思います。

ズームレンズにはワイド端(広角側)、テレ端(望遠側)があるため2つの表が存在しています。
もちろん、単焦点レンズは焦点距離が決まっていますので1つの表しかありません。

2つもあったらわかりにくいので、とりあえずワイド端(広角側)の表で見ていくことにします。

縦軸と横軸

スクリーンショット 2017-07-20 23.44.07

縦軸:コントラスト値
横軸:画像中心からの距離mm

を示しています。

縦軸はコントラスト値を表しています。
被写体のコントラストをレンズを通してどれだけ正確に再現することができるかという値です。

1が最高値になりますので、1だとほぼ完璧に再現できていますよってこと。

上にいくほど良いということになります。

横軸は画面中心からの距離を表しています。

右に行けば行くほど中心から離れていくと考えればオケーです。

フルサイズの場合は四隅で21.6mmくらいになります。
最高でも21.6mmまでなので表の値もそのくらいで途切れています。

図にするとこんな感じです。

スクリーンショット 2017-07-25 22.51.59

こちらはフルサイズのセンサーになります。
APS-Cの場合はセンサーサイズを置き換えて考えていくことになります。

フルサイズ:36×24mm 四隅は約21.6mm
APS-C:23.5×15.6mm 四隅は約14.5mm

APS-Cの場合はセンサーサイズがフルサイズよりも小さいため四隅までの距離も短くなっています。
APS-C専用レンズのMTF曲線は横軸の数字が15mmくらいまでしかありません。

4つの線の意味

スクリーンショット 2017-07-25 22.52.22

表の縦軸と横軸はなんとなく理解できます。
しかし、この4つの曲線がもはや意味不明なんですよ。

いっそのごとく1つにしてくれれば良いのですが、どうやらそうもいかないみたいです。
それぞれの線に意味がありますので、1つずつ見ていくことにします。

まずは数字の違いです。
10と30があります。

結論から言うと10コントラストを表し、30解像度を表します。

もう少し細かく言うと、この曲線は空間周波数10本/mm、空間周波数30本/mmに対応している線だと言うことなんですが、例えば、空間周波数10本/mmでみると、1mmの中の正弦波10本がどこまでのコントラストを表すことができるかということになります。
全部しっかりとコントラストを表すことができれば値は1となり、表の一番上に位置します。

参考

スクリーンショット 2017-07-24 23.11.14

Canon公式ホームページから画像をお借りしてきました。
10本/mm、30本/mmが両方とも高い値になれば一番左の画像に。
10本/mmが高く、30本/mmが低いと真ん中の画像に。
10本/mmが低く、30本/mmが高いと一番右画像になります。

一番左の画像はコントラスト、解像度ともに良く、真ん中の画像はコントラストは高いのですが、解像度が低いのでモヤっとした感じになっています。
一番右の画像は解像度は高いのですが、コントラストが低いので色のりが悪い感じがします。

それぞれのレンズの特製でもありますが、やはり一番左の写真が魅力的ですね。

あとり
簡単にまとめると、10の曲線と30の曲線が上の方にあればコントラストが良く、解像度が高いということですね?
カメラ先生
そういうことじゃ!
あとり
でもSとかMとかのローマ字の意味はなんですか?
カメラ先生
それでは説明しよう

Sはサジタル方向:放射方向を表し、Mはメリジオナル方向:同心円方向を表します。

あとり
何言っているかさっぱりワカリマセーン

スクリーンショット 2017-07-25 22.52.12図で表すとこんな感じです。
中心から真っ直ぐに伸びているのがS(サジタル方向:放射方向)で円を描くようなものがM(メリジオナル方向:同心円方向)になります。

だから何なのさって感じですが、どうやらこの方向上のコントラストを表しているようです。
レンズには非点収差があり、その影響で2方向のコントラスト値が異なるため両方を記載しているのです。

スクリーンショット 2017-m07-23 22.22.49

極端な例ですが、表の中でM(メリジオナル方向:同心円方向)の値が低ければこんな感じになります。
放射方向と同心円方向とという感じで抑えておけば良いと思います。

表からレンズの性能を読み取る

これで一応表が何となくわかるような気がしてきました。
しかし、表の見方は理解できてもそれが高いのか低いのかがわかりません。

一般的に10本/mmのMTF特性が0.8以上あれば優秀なレンズ、0.6以上あれば満足できる画質が得られると言われています。

Canon公式ホームページより

どうやら10本/mmのMTF特性が0.6以上あれば満足できる画質ということなので、目安は0.6ということになりそうです。

実際に読み取ってみる

スクリーンショット 2017-07-20 23.44.07

先ほどと同じAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VRのMTF曲線です。

この表から読み取ってみることにします。

F値は2.8なので開放値になります。
さらにWideなので70mmで撮影した場合ということです。

開放70mmではSとMの10本/mmが両方とも非常に高く、隅でも0.7以上を保っていますので、コントラストはとても満足がいくレベルということがわかります。

しかし、30本/mmが18mmをすぎたあたりから0.6を下回っていますので隅にいくほど解像度が落ちていることがわかります。
レンズの性能上、中心から離れるに連れて解像度、コントラスト値は落ちますのでこれは仕方のないことです。

次にTele(200mm)を見てみます。

スクリーンショット 2017-07-20 23.44.28

こちらは開放200mmで撮影した場合の表になります。
SとMの10本/mmが両方とも非常に高く、コントラストは非常に良いことがわかります。
30本/mmも18mm付近から下がり始めますが、Sが0.6を少し下回る感じです。

開放でこの数字は非常に素晴らしいです。
他のレンズのMTF曲線をみるとわかりますが、ズームレンズでこの数値のものはなかなかありません。
そして、このレンズは広角側(70mm)よりも望遠側(200mm)の方が強いということもわかります。

ただしわかるのはここまでです。
他のF値の場合はどうなるかわかりません。
一段絞れば画質は上がるのかもしれませんし、変わらないかもしれません。
メーカーによってはF8のMTF曲線も公開していたりしますが、ない場合もあります。

さらにボケ味も読み取ることはできません。
一般的には10本/mmのSとMの乖離が少なければ綺麗なボケが出るレンズと言われていますが、あくまで期待できるというレベルになりますので、MTF曲線からは読み取ることができません。

APS-Cの場合

SとMが10本/mmと30本/mmのMTF曲線は基本的にフルサイズを想定しているものになります。

単純に考えれば、APS-Cの隅までは約14.5mmになりますので、表の横軸の14.5mm以降は見なくて良いということになります。
つまり、フルサイズ用のレンズの美味しい部分だけを使うことができるのがAPS-Cということになります。

しかし、センサーサイズがフルサイズ:36×24mm、APS-C:23.5×15.6mmとなりますので、同条件で比べるとなると、縦横をそれぞれ1.5倍することが妥当と考えられます。

現に富士フィルムが公開しているAPS-C用のレンズには15本/mmと45本/mmとなっています。

ですので、表記が10本/mmと30本/mmとなっているAPS-Cのレンズでは同等に比べることができないと考えています。

要するにAPS-Cの場合は15本/mmと45本/mmのMTF曲線が公開されない限り、あくまで参考ちでしかないのかなと個人的には思っています。

まとめ

MTF曲線をみることでレンズの性能がわかるとは言い難いですが、レンズ購入を検討しているのであれば参考値にはなると思います。
作例やプロのいいなりではなく、自分でも一応購入の指標にすることはできますので見れるようになって絶対に損はないと思います。

あ、ちなみに僕は一度も参考にしたことはありませんけどw

数字だけ見てもわからないし、ボケ味やAFスピードもわかりません。
本当あくまで参考というレベルです。

やっぱり実際に使ってみないとわからないのかなというのが本音です。

あとり
なるほど、開放ではサジタル方向の解像度が少し低下するのか。ふむふむ

これはないw

やっぱりあくまで参考に見れるという程度だと思いますが、購入に迷ったら見てみるのも面白いです。
ということでMTF曲線の見方についてでした〜!

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